麻雀ゲーム機で賭けることができたジャンピューターとは?オンラインカジノ顔負けのプロモも展開していたアングラギャンブルの秘密に迫ります。
21世紀が始まってまだ間もない2001年の9月に、歌舞伎町で40人以上の死者を出すという衝撃的なビル火災が起きました。原因は放火とされ、いまだに犯人は捕まっていないわけですが、その出火元とされているのが3階にあった「ゲーム麻雀店」と呼ばれていたものです。
麻雀といえば4人がお金を賭けて卓を囲んで遊ぶ雀荘を思い浮かべる人が多いことでしょう。しかしこのゲーム麻雀店と呼ばれる店舗ではジャンピューターという機械相手にお金を賭けさせるという、普通の雀荘よりもおそらく違法性が高い商売が行われていたのです。
平成のアングラギャンブル、今回はこのジャンピューター屋について記憶を頼りにご紹介します。
ジャンピューターとは?その登場背景
そもそもジャンピューターとは何のことなのでしょうか?少し時を遡って、その歴史を探っていってみましょう。
以前は喫茶店がゲームセンター代わり
1970年代に登場したインベーダーゲームはその年代の人にとっては懐かしく、若い世代でも昭和懐古番組などでその存在だけは知っているという人も少なくないことでしょう。
まだゲームセンターが街中に現れる前の時代。当時は日本中の多くの喫茶店がインベーダーゲームやその後登場したパックマンなどのゲームテーブルで埋め尽くされ、百円玉を山積みにして何時間も遊び続ける客も珍しくなかったそうです。
80年代になって登場したジャンピューター
80年代に入ってほどなくすると、インベーダーゲーム同様のテーブル型ゲーム筐体で麻雀ができるジャンピューターが登場します。とはいえ、まだファミコンが世に出る数年前の話。基本的にはコンピューター対プレイヤーの一騎打ちで、通信によるランク付けなどはもちろん、派手な演出の類も一切ない地味なものでした。
その後の脱衣麻雀へと進化していくわけですが、それはまた別の話。
公然とギャンブルを行う喫茶店も?
インベーダーやパックマンではどれだけ勝っても賞金が出るということはなかったようですが、麻雀となるとやはりお金を賭けないと盛り上がりに欠けてしまいます。そこで、(すべての喫茶店というわけでなないものの)中には勝てば賞金の支払いを行う店も出てくるようになりました。
それでも、数時間遊んだところで勝っても負けても数千円を超えることはなかなかなかったようですが。
ジャンピューター専門店の登場
80年中盤になるとゲームセンターの人気に火がつきます。それにともない、ジャンピューターはゲーセンの脱衣麻雀と、街中の喫茶店よりも専業的なジャンピューター屋へと枝分かれしていきます。
ちなみにそれまでのジャンピューターと以降の脱衣麻雀は持ち点制で、100円を入れれば数局以上遊べたものの、専門店では1クレジットで毎回独立した1局をプレイするかたちになります。つまり、一定時間遊び続けるために必要な資金も大きくなったわけです。
ゲーム麻雀店の特徴
お金を賭けないゲーセンの「健全」な脱衣麻雀に対し、ジャンピューター専門店は数時間で数万円がやりとりされる違法性が高いもの。窓に目張りをした雑居ビルの一室で営業していることが多く、「麻雀◯◯」や「麻雀喫茶」といった看板は出されていたものの、外からだと一見雀荘と区別がつきにくいものでした。
しかし公然と賭博を行っているその違法性は客側にも明らかなわけで、店舗側はあの手この手で客を呼び込むサービス展開を行うようになります。
専門店ならではのサービス
喫茶店に設置されていた時代は食事やドリンクを注文した上で有料で遊んでもらう副次的な娯楽だったジャンピューター。しかしゲーム麻雀店では軽食と酒、タバコが基本的に無料で提供されるようになりました。
さらに各店舗が特色を出すために力を入れていたのが、個性豊かなプロモーションです。毎日のサービスクレジットやビンゴ、サービスタイムなどがありました。
サービスクレジット
ジャンピューター屋ではテーブルに座ってから数千円を払って数十クレジット分を手動で機械に投入してもらうという仕組みでした。さらに毎日、初回の入金に対してはサービスクレジットを上乗せしてもらえるのが一般的でした。額は店舗によって違いましたが、例えば2千円の入金で2千円のサービス、または5千円で5千円といった具合いです。
インターネットが普及する20年近くも前から、オンラインカジノの入金ボーナス同様の制度が導入されていたわけです。
ビンゴ
店内に大きく張り出された紙にいくつかの麻雀牌が架けられていて、特定の牌でアガると賞金がもらえるというプロモも一般的でした。ビンゴ形式でラインを完成させたり最後の1牌を仕留めるとさらに高額の賞金がもらえることも。
店舗によってはビンゴ形式ではなく、ランダムに選ばれた牌が横一列に並べられているということもありました。
サービスタイム
ビンゴは全時間帯にわたって催されるものでしたが、店舗によっては特定の時間帯にビンゴに加えて特別なプロモを開催するものもありました。サービスタイム中の最初の倍満、もしくは最初の清一色をアガった客に特別な賞金、といった感じです。
特に人気だったのが「赤満貫」です。ジャンピューターでは毎局ランダムに特定の翻数が赤く表示され、その翻数でアガると倍のクレジットが払い戻されるという仕組みでした。特に赤満貫はアガりやすかったため、サービスタイム中のターゲットをこれに設定している店舗が多かったというわけです。
ジャンピューター屋のその後
冒頭の火災で一気に下火になった後、特に歌舞伎町ではその数年後の浄化作戦によってジャンピューター屋は壊滅的状態になります。完全紹介制で看板を出さずにアングラで営業している店が絶対にないとは言いきれませんが、おそらくその可能性は限りなくゼロに近いことでしょう。地方都市でもおそらく同様だと思われます。
その代わりとなるかはわかりませんが、今は自宅から気軽にオンラインカジノで遊べる時代になりました。トーナメントなどのプロモーションも各サイトで常時開催されているので、ジャンピューター隆盛期を覚えている人は往時の赤満貫を偲んで、体験できなかったという人は最新技術満載のオンラインスロットやライブカジノで最新鋭のギャンブルを体験してみては?
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